「四国新幹線」の誘致運動、徳島・岡山は他県と温度差があった! その裏事情をご存じか

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整備新幹線格上げを求めて、四国新幹線の誘致運動が熱を帯びているが、沿線5県のうち、徳島県と岡山県は他の3県と温度差が感じられる。何か裏にあるのか。

徳島県は大阪ルートに期待

徳島駅前に立てられた四国新幹線推進の看板(画像:高田泰)
徳島駅前に立てられた四国新幹線推進の看板(画像:高田泰)

 四国新幹線の推進で4県に足並みの乱れは見られないが、徳島県はこれまで「大阪ルートが基本」と主張してきた。経済界や県民の間で瀬戸大橋経由の新幹線はメリットが小さいとして冷めた見方をする声も上がっている。

 徳島県は他の四国3県との境を山で隔てられ、交流がそれほど活発でない。むしろ海を隔てた関西や江戸時代に同じ徳島藩だった淡路島とのつながりが強い。中でも大阪府とは大阪市西区の阿波座という地名が、古くから阿波国(現在の徳島県)の商人が多数住んでいたことに由来するという説があるほど、深く結びついてきた。

 四国アライアンス地域経済研究会によると、4県の2021年の転出入者数が2020年の国勢調査人口に占める割合は、対象を京阪神地方(大阪府、京都府、兵庫県)にすると、徳島県が最も高い0.79%を示している。これに対し、山陽地方(広島、岡山、山口の3県)で見ると、徳島県は0.26%。4県で最も少なく、香川県や愛媛県の半分程度でしかない。

 高知県は山陽地方との転出入者数割合が徳島県の次に低いが、京阪神へ向かうのに岡山経由の鉄道を利用する人がそれなりにいる。しかし、徳島県は土讃線が走る三好市など県西部を除いてほとんど利用されていない。徳島市からだと、高速バスのほうが大阪へ30分以上早く到着し、運賃も半額以下で済むからだ。

 徳島市内だと、幹線の路線バスでも1時間に1本程度の運行しかないが、大阪は15分に1本、神戸は30分に1本程度走っている。このため、ビジネスやレジャーだけでなく、買い物に高速バスを使う人が多い。

 徳島県内は期成会の新幹線駅候補地に9か所が挙がったが、徳島市のJR徳島駅を除けば、鳴門市や松茂町という大鳴門橋に近い県北部が8か所を占めた。紀淡海峡か明石海峡に新たな橋かトンネルが整備されるのに備えたい徳島県の意向を反映させたと見られ、他の3県と異なる思惑を抱えたまま、誘致運動を進めている。

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