世界トップレベルの鉄道大国「日本」で貨物輸送が全然伸びない本質的理由

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旅客輸送で日本は世界トップレベルの「鉄道大国」だが、貨物輸送は低調である。貨物輸送の分担率などで見ると、欧州連合(EU)の半分にも満たない。鉄道貨物の利用が進まない本質的な理由とは何か。

貨物輸送が低調な「鉄道大国」

貨物列車のイメージ(画像:写真AC)
貨物列車のイメージ(画像:写真AC)

 国土交通省の「今後の鉄道物流の在り方に関する検討会」が7月末、鉄道貨物輸送の利活用に向けた方向性を示す「中間とりまとめ」を公表した。

 国内物流の主流であるトラック輸送は、ドライバー不足により大きな課題を抱えている。また、CO2排出ゼロを目指すカーボンニュートラルの観点から、環境負荷の低い鉄道輸送への関心が高まっている。このように強い追い風を受けながらも、鉄道の利用はイマイチ伸びておらず、長期的な右肩下がりの傾向を脱することができていない。

 そもそも、旅客輸送に限ると日本は世界トップレベルの

「鉄道大国」

であるにも関わらず、貨物輸送は低調である。貨物輸送の分担率などで見ると、欧州連合(EU)の半分にも満たない。

 そのような背景からとりまとめが策定されたわけだが、鉄道貨物輸送の巻き返しが実現できるか、今後の展開が期待されるところだ。本稿ではこれを機に鉄道貨物の利用が進まない本質的な理由とは何かについて、改めて考えてみたい。

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