お召し列車としても有名 「E655系」はなぜ多客期の臨時列車として運転されないのか?

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鉄道開業150周年を記念して、盛岡から上野まで、E655系電車なごみを使った団体列車が運転されたため、ライターが乗車した。そこで感じた感想とは?

E655系「なごみ」の運用

ツアー参加者全員に配られた幕の内弁当(画像:堀内重人)
ツアー参加者全員に配られた幕の内弁当(画像:堀内重人)

 JR東日本は、含みを持たせながらも新幹線の高速化や運転本数の充実を中心に考えているのかもしれない。筆者はハイグレードな設備を持った車両だから、お召し列車で使用するのに支障をきたさない範囲でより多くの人たちが乗車できるようにしてほしいと思っているが、定員が少ない列車のため採算面で厳しいと言える。

 上野~盛岡間の片道の普通運賃は8560円だ。上野~盛岡までの特急料金は、600km未満だから指定席で3490円だ。なごみは全車グリーン車の座席指定席のため、600kmまでのグリーン料金は5400円だが、座席指定料金が重複することから、530円を引く必要がある。なお、当日のツアーには1200円程度の幕の内弁当が含まれていた。

 正規運賃・料金に弁当代を加えた価格は、

「8560円 + 3490円 + 5400円 + 1200円(弁当代) - 530円 = 1万8650円」

となる。今回のツアー代金は2万9000円だった。ツアー代金と正規の運賃・特急グリーン料金・弁当代との差額は、1万350円となる。

 前述のように、ツアー代金には企画料と旅行業務取扱料金も含まれる。旅行業務取扱料金に関しては、今回はふたりの添乗員が含まれると同時に、盛岡駅で受付する際、3人が担当していた。

 このようなツアー形式とすれば、客単価は上がる。また今回は台風15号の接近もあったため、直前のチャンセルも生じた。ツアー形式であれば、キャンセル料も高めに設定できるなど、主催者であるJR東日本に利点がある。

 さらに、盛岡から上野間の片道でE655系なごみを運転すれば、東京周辺の人の場合、東京都区内から盛岡までの普通運賃と東北新幹線の特急料金も入るため、JR東日本にとれば利益率のよい旅行商品となる。

 マルスに入れて多客臨として運転すれば利益が出づらいが、直前にキャンセルなどが生じれば、使用されない座席は価値がゼロになる。その際、売れ残っている座席はマルスに戻して販売するようにすればよいのではないか。

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