「戦闘機エンジン」に多大な影響も ガスタービンが自動車用に定着しなかったワケ
自動車用動力としての実用化を目指し、さまざまなスタイルで技術的トライがなされたガスタービン機関。各国空軍の航空機から自動車へ、正解大戦を挟んで活用されたその軌跡をたどる。
規制が壁、ガスタービンブームの終焉
動態モデルはクライスラー自社のウォルター・パーシー・クライスラー・ミュージアムで見ることができる他、1台は後年に著名なカーコレクターであるジェイ・レノに売却され、今も唯一の個人所有の個体として保存されている。
クライスラーのガスタービンカープログラムは、その後も1979年までさまざまな形で継続されていたが、この年を最後に終了となった。
理由は、大幅に強化されることが決定した新しい排気ガス規制に対して、主として窒素酸化物(NOx)対策が容易には解決できないと判断されたことである。
こうした動きはクライスラー以外の各メーカーにも波及し、1960年代のガスタービンカーブームは終焉(しゅうえん)を見た。
一方、現在の状況はというと、窒素酸化物対策は何とかなるようになったものの、主としてコストとドライバビリティの問題でもはや単体では成立しがたく、自動車用ガスタービンエンジンとしては、小型化されたモデルがわずかにシリーズハイブリッド用のレンジエクステンダー動力源などへの可能性が残されているだけである。