路面電車が駅ビル2階に乗り入れ 「広島駅南口」の再開発大実験は吉と出るのか、凶と出るのか?

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広島市のJR広島駅南口の再開発が進んでいる。目玉になっているのが、広島電鉄の路面電車の大改造だ。地上にある路面電車が高架で駅に乗り入れ、2階で乗り換えできるようになる。

大がかりな工事が行われた理由

広島市の航空写真(画像:国土地理院)
広島市の航空写真(画像:国土地理院)

 こうして進む広島駅への路面電車乗り入れ工事。駅舎に路面電車が乗り入れている事例は富山市などいくつかあるが、2階に乗り入れるのはほかにない。

 この大がかりな工事が行われた理由は、人口119万人を数える政令指定都市の路面電車にしては

「貧弱な駅設備」

を解消するためだった。

 広島市は、交通結節点であるJR広島駅と中心市街地が離れて存在している。そのため、これをつなぐ交通インフラとして路面電車の価値は高い。路面電車も郊外まで路線が延びているため、

・広島駅に下車して通勤通学する人
・路面電車で広島駅に向かってJRに乗り換える人

でいつも混雑している。

 さらに、混雑を加速させているのはホームがふたつしかないことだ。広島駅に乗り入れる路面電車は4路線あるにもかかわらず、ホームはなぜか半分なのだ。うち3路線はいずれも繁華街の八丁堀・紙屋町や原爆ドーム方面へ向かうが、1路線だけは全く違うコースを通って広島港へ向かう。地元民はともかく、外から訪れた人には少々ややこしい停留所だ。

 実際、筆者は本通に向かうはずが宇品二丁目で間違えたと気づいた。高架化で生まれる新たなホームは4路線分が確保されており、こうした間違いはなくなる。加えて、これまで駅前とはいえ、JR駅と停留所が約100mと離れていた問題も解消される。

 交通インフラの大幅な改変が実施される原動力となった南口の再開発。それが加速したのは、2009(平成21)年にプロ野球・広島東洋カープの本拠地が広島駅に近いマツダスタジアムに移ったしたことだった。八丁堀・紙屋町の繁華街から外れた広島駅周辺は、21世紀になっても昭和の雰囲気が残るエリアだった。

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