なぜ日本企業は「中国」から離れ始めたのか? 進出企業がピークから3割減! 自動車部品の現場で何が起きているのか――「中国撤退」だけでは見えない新たな生産地図とは
対中進出の日本企業が1万118社と過去最少へ急減し、一見「中国離れ」が鮮明だ。だが実態は撤退ではない。自動車部品などを中心に、地政学リスクを見据えて中国拠点の役割を絞り込み、他地域へ分散・再編する「機能の厳選」が進む。勝敗を分ける新たなグローバル生産地図の最前線を追う。
日本企業の対中進出縮小と機能選別

2026年9月28日に発表された帝国データバンクの調査によると、6月時点で中国に進出する日本企業は1万118社まで大きく減少した。2024年の1万3034社から2916社(22.4%)減り、ピークだった2012年(1万4394社)と比べると4276社(29.7%)減少。比較可能な2010年以降で最も少ない水準となった。
新規参入は1221社とコロナ禍(2020~2022年)を下回り、過去最少となった。一方、拠点閉鎖などの「撤退・所在不明」は過去最多の4137社に上った。対中ビジネスは、規模を広げる動きから縮小・再編へと明確に移りつつある。
では、自動車部品メーカーも生産拠点を一斉に引き揚げているのか。必ずしもそうではない。今回の数字はあくまで中国に進出した企業の数であり、生産能力の移転を直接示すものではない。実際には、すべての機能を一律に引き揚げるのではなく、中国に残す機能と他国へ移す機能をより分ける動きが起きている。