なぜ日本企業は「中国」から離れ始めたのか? 進出企業がピークから3割減! 自動車部品の現場で何が起きているのか――「中国撤退」だけでは見えない新たな生産地図とは

キーワード :
,
対中進出の日本企業が1万118社と過去最少へ急減し、一見「中国離れ」が鮮明だ。だが実態は撤退ではない。自動車部品などを中心に、地政学リスクを見据えて中国拠点の役割を絞り込み、他地域へ分散・再編する「機能の厳選」が進む。勝敗を分ける新たなグローバル生産地図の最前線を追う。

機能単位で描き直す将来の生産地図

中国(画像:Pexels)
中国(画像:Pexels)

 拠点整理が続けば、日本や東南アジアへの分散が定着する一方、テスラのようにEV時代の開発速度を高め、技術流出を防ぐ狙いから、バッテリー工場への直接投資など、垂直統合のモデルで重要部品を市場の近くで内製化する動きも活発になっている。米国のインフレ抑制法(IRA)やCHIPS法など、各国が国益を重視して産業の国内回帰を後押しする政策も、この流れを支えている。

 中国の巨大市場や産業の集積が重要であり続ければ、付加価値の高い製造や研究開発機能は現地に深く根を下ろし、1社あたりの事業規模が拡大することも考えられる。問われるのは会社の数ではなく、「中国で何をしているか」、そして

「どこにどの工程を置くか」

である。生産地図は、国単位ではなく機能単位で見る必要がある。

 企業数の減少は変化の出発点だが、これをもって中国離れと結論づけることはできない。複数拠点を持つことで増える費用と、強い供給網を守ることをどう天秤にかけるのか。中国に残るか、出るかという単純な二択ではなく、自社の技術を守りながら、どの機能をどの市場の近くに置くのか。その選択の積み重ねが、次の生産地図を描き出すだろう。

全てのコメントを見る