なぜ日本企業は「中国」から離れ始めたのか? 進出企業がピークから3割減! 自動車部品の現場で何が起きているのか――「中国撤退」だけでは見えない新たな生産地図とは

キーワード :
,
対中進出の日本企業が1万118社と過去最少へ急減し、一見「中国離れ」が鮮明だ。だが実態は撤退ではない。自動車部品などを中心に、地政学リスクを見据えて中国拠点の役割を絞り込み、他地域へ分散・再編する「機能の厳選」が進む。勝敗を分ける新たなグローバル生産地図の最前線を追う。

企業数減少の裏で残る重要製造拠点

日本企業の「中国進出」動向調査(2026年)(画像:帝国データバンク)
日本企業の「中国進出」動向調査(2026年)(画像:帝国データバンク)

 企業数の減少と生産機能の縮小は、同じ意味ではない。進出企業のうち製造業は4206社(全体の約4割)を占め、前回調査から933社減ったものの、依然として最大の業種である。卸売業(3320社)、サービス業(1213社)と合わせた3業種で約86%を占める構図は変わらず、製造や調達、販売などを続ける企業群も残っている。

 地域別に見ると、最大の集積地である上海市は3961社だが、前回比で21.5%減少した。地域統括や管理機能の効率化も進んでいる。北京(5割減)や遼寧省(3割減)も減少幅が大きい。

 これに対し、江蘇省(1517社、同7%減)や広東省(1409社)は集積を維持している。広東省では深センや広州などを中心に、電子機器や自動車関連産業が続いている。

 製造業の内訳を見ると、業種による違いも明確だ。人件費高騰の影響を受けやすい軽工業や繊維など労働集約型業種の撤退が目立つ一方、一般機械や工作機械、電子部品、自動車関連部品といった重厚長大・精密分野は一定規模を保っている。

 ここから読み取れるのは、日本企業がすべての事業から手を引いているのではなく、付加価値の低い事業を引き揚げ、拠点の役割をより高度なものへ整理している姿である。

全てのコメントを見る