ナビがあるのに、なぜ60.2%が「道に迷う」のか? 技術が行き渡るほどに残る、ハンドルの不確かさ

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休日のドライブ経験者の33.2%、すなわち3人に1人が「失敗やハプニング」を経験している。NEXERとグーネット中古車の調査(有効回答500)は、道迷い60.2%や渋滞47.0%などの環境要因に加え、ガス欠やインロックといった操作ミスも一定割合で残存する現実を示した。技術進化の裏で浮かび上がるのは、運転という行為に内在する不確かさの構造である。

過ちを前提とした仕組みの再考

ドライブ中にやってしまった失敗エピソードに関する調査(画像:NEXER)
ドライブ中にやってしまった失敗エピソードに関する調査(画像:NEXER)

 これからの支援技術が底上げされることで、道に迷うといった外側の環境に振り回される事態は減っていくのかもしれない。けれど、ハンドルを握る側のミスが、それで跡形もなく消え去ると考えるのは楽観が過ぎるだろう。

 むしろ、車と道路環境が密接につながり合うほど、システムを信じ切ることで生まれる危うさも顔を出す。情報の案内や制御が重なり合っていく流れの中では、たった一度の操作ミスが招く影響も、以前よりずっと広範囲に及ぶ。

 例えば燃料の管理まで自動で行われるようになれば、人はますますその中身に注意を払わなくなるはずだ。便利さを追い求めた先で、私たちは自らの判断を預ける範囲を広げ、そこから生まれる新たな壁に突き当たることになるのではないか。

 今回の調査結果を眺めて思うのは、こうした失敗を個人の不注意として片付けてはいけない、ということだ。運転とは、機械の助けと人の判断が混ざり合う、極めて曖昧な領域で行われる行為である。その境界にある食い違いを、完全に消し去ることは難しい。

 これからの移動の安全を考えるなら、ミスを個人の責任に押し込めるのではなく、人はそもそも間違えるものだという前提に立ち、社会のあり方を練り直していく時期に来ている。技術が進歩した今だからこそ、人間の不確かさを包み込むような仕組みの議論が必要とされているのだ。

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