ナビがあるのに、なぜ60.2%が「道に迷う」のか? 技術が行き渡るほどに残る、ハンドルの不確かさ
- キーワード :
- 自動車
外部環境の変容と管理の死角

失敗の中身をひも解くと、道に迷った経験が60.2%と抜きん出ており、渋滞(47.0%)や天候トラブル(28.3%)、高速道路の出口ミス(23.5%)がそれに続く。これらに通底するのは、車そのものの性能というより、外側の世界が不意に見せる表情の変化に翻弄される側面だ。ナビゲーション技術がこれほど隅々まで行き渡った時代に、なお6割の人が迷う。この事実は、私たちが自らの判断を機械に預けすぎている危うさを物語っているのではないか。
・地図で調べてなんとか戻った(40代・女性)
・通りすがりの人に聞いた(20代・女性)
画面上の案内と目の前の道路が食い違った瞬間に、私たちは途端に立ち往生し、こうした地道なアナログの手段に頼らざるを得なくなる。また、自分の力ではどうにもできない天候や交通状況の変化も、ドライバーを容赦なく追い詰める。
・ゲリラ豪雨でワイパーが効かなくなって怖い思いをした。止まるにも空き地もないし、路肩でも怖いので止まれなかった(50代・女性)
・渋滞により、ホテルのチェックイン時間が遅くなってしまった(30代・女性)
情報の仕組みが現場の生きた状況を捉えきれていない点にこそ、本質的な課題がある。一方で、発生率こそ低いものの、数字が下げ止まっている項目も見逃せない。バッテリー上がりが17.5%、駐車場所の忘失が15.1%。さらにガス欠や閉じ込め、設定ミスがいずれも10.8%という結果になった。これらは外のせいにはできず、あくまで運転する側の管理の甘さが招いたものだ。
・ライトをつけっぱなしにしてバッテリ上がる(40代・男性)
・ガソリンが少なくなったことを示すランプがついた(40代・男性)
高度なシステムが普及してもこうした事態が消えないのは、機械が人間の振る舞いをすべて制御できるわけではないという現実を示している。むしろ、便利になればなるほど、人は残されたわずかな手動操作に気を配らなくなる。確かめるという手間を省いた結果、不注意が入り込む隙間が生まれてしまうのだろう。