「空気を運んでいる」と言われて30年…予約殺到の客室化企画と黒字経営、“白い無人車両”が変えた評価とは

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予約困難な「ゆりかもめ30周年コラボルーム」が5月5日まで延長される一方、2024年度の同線利用は12万9878人と倍増し営業利益27億円を計上。延伸停滞のなか、都心臨海地下鉄構想との競合が浮上している。

開業初期の需要不足

沿線最大の集客施設・東京ビックサイト(画像:菅原康晴)
沿線最大の集客施設・東京ビックサイト(画像:菅原康晴)

 今でこそ第三セクター鉄道として経営が安定した位置にあるゆりかもめだが、当初から順調だったわけではない。

 1996(平成8)年に沿線のお台場で開かれる予定だった世界都市博覧会が中止となり、来場者輸送という大きな利用増の見込みを失った状態での開業となった。さらに、バブル崩壊の影響も重なり、沿線開発は大きく遅れた。このため開業当初は「空気を運んでいる」といった見方もあった。

 その後、沿線開発が進むにつれて利用者は少しずつ増えていった。公式サイトによると、開業翌年の1996年度には1日平均6万4468人だった。東京臨海高速鉄道の全線開業による影響や、コロナ禍での大幅な減少はあったものの、2024年度には12万9878人となり、およそ2倍に増えている。

 30年で2倍という伸びは、年ごとに見ると平均で2%弱の増加となる。短い期間で急増したわけではないが、開業当初の「空気を運んでいる状態」は、時間をかけて利用の多い路線へと変わっていったといえる。

 なお、2018年8月11日には東京花火大祭とコミックマーケットの開催が重なり、1日あたりの利用者数は過去最多の28万9369人を記録した。

 沿線では2026年に入ってからも動きがあり、3月27日には集客施設となる東京ドリームパークが開業し、3月28日には大規模な噴水施設である東京アクアシンフォニーが開いた。住宅地を含め、沿線にはまだ開発の余地が残っている。今後も利用者が増える余地は大きいとみられる。

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