「技術の日産」逆襲の序曲――レアアース9割削減・全固体電池が示す、日本発EVと経済安全保障の新局面

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6500億円の赤字と2万人削減に揺れる日産は、販売6割減の苦境下で全固体電池の実用化(2028年度)とレアアース9割削減を進める。資源依存からの脱却と供給安定を軸に、再建の行方が問われている。

資源依存という構造問題

新型エクストレイル/ローグ e POWER(画像:日産自動車)
新型エクストレイル/ローグ e POWER(画像:日産自動車)

 日産の問題を議論するとき、航続距離や充電性能、中国メーカーの低価格戦略に目が向きがちだ。しかし本質的な課題は、特定の国への資源依存という日本の産業全体が抱える弱点にある。

 重要鉱物の供給が止まれば、どんな優れた技術も意味をなさない。2025年5月のスズキの生産停止、2026年2月の三菱重工の航空エンジン関連部品への輸出規制など、海外の政策ひとつで日本のものづくりが止まる事態はすでに起きている。

 経営面にも課題があった。車種ごとに収支を細かく管理する仕組みは短期的な数字の管理には向いていたが、長期的な技術開発の妨げになっていた。市場の変化に対応できず、コスト増を販売台数で補えない状態が続いた。問題は現場の技術力ではなく、技術を製品に結びつける社内の仕組みにあった。

 これからの競争で問われるのは製品性能の高さだけでなく、供給をいかに安定させるかだ。日産が向き合っているのも、スペックの向上と同時に、資源供給リスクをどう乗り越えるかという問題である。

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