「技術の日産」逆襲の序曲――レアアース9割削減・全固体電池が示す、日本発EVと経済安全保障の新局面

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6500億円の赤字と2万人削減に揺れる日産は、販売6割減の苦境下で全固体電池の実用化(2028年度)とレアアース9割削減を進める。資源依存からの脱却と供給安定を軸に、再建の行方が問われている。

資源依存を減らす技術開発

エクステラ(画像:日産自動車)
エクステラ(画像:日産自動車)

 日産が力を入れる技術開発は、業績回復の手段というより、資源の制約からいかに自由になるかへの答えといえる。

 重希土類を9割以上削減したモーターと、2028年度の量産を目指す全固体電池。このふたつを組み合わせることで、特定国への依存度を下げた安定した生産体制を目指す。全固体電池が実用化されれば、同じサイズで走行距離が2倍になり、充電時間は現在の3分の1に短縮される。

 モーターの重希土類削減が実現したのは、磁石が熱で弱くなる問題を材料の追加ではなく、熱が上がりにくい構造の設計で解決したからだ。全固体電池も23層の積層セルで動作確認が進んでおり、実車への搭載に向けた段階まで来ている。

 開発期間も55か月から30か月に短縮する。このスピードがあって初めて、変化の速い市場に製品を間に合わせられる。5000億円のコスト削減目標も、開発の効率化があってこそ現実的な数字になるのだ。

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