「技術の日産」逆襲の序曲――レアアース9割削減・全固体電池が示す、日本発EVと経済安全保障の新局面
6500億円の赤字と2万人削減に揺れる日産は、販売6割減の苦境下で全固体電池の実用化(2028年度)とレアアース9割削減を進める。資源依存からの脱却と供給安定を軸に、再建の行方が問われている。
競争軸の変化と販売目標

今後の自動車業界で競争を左右するのは、価格だけではなくなる。製品を安定して届け続けられるかどうか、つまり供給の安定性が新たな評価基準になるだろう。資源の有無に左右されない生産体制を築けるかが、企業の将来を決める。
日産は2030年度に向け、国内55万台、米国・中国でそれぞれ年100万台の販売を目標にする。中国では2024年度比で4割以上の増加を見込む強気な計画だ。中南米や東南アジアへの輸出拠点としての役割も担わせる狙いがある。
技術面では、全車種の9割にAIによる自動運転を導入し、全固体電池の量産を2028年度に始める。電池容量が2倍になり充電時間が3分の1になれば、車は移動手段を超えて社会の電力インフラとして機能する存在になる。2030年以降は車の電気を売ることも当たり前になり、車を所有する意味そのものも変わっていくだろう。
6500億円の赤字と2万人の人員削減という痛みも、振り返れば次の時代の土台を作るための過程だったと評される日が来るかもしれない。資源制約を技術で乗り越えられるかどうか、その答えは2028年に出そろうのだ。