あなたの愛車の色は何ですか? 「売るならホワイト一択」とよく聞きますが、その選択は本当に自由なのでしょうか

キーワード :
2025年の世界調査で、車体色の75%はホワイト・ブラック・グレーに集中。資産価値と生産効率が無彩色を押し上げる一方、EV拡大で有彩色も台頭し、色選びは経済合理と自己表現の分岐点となっている。

色彩選択の変化とEV市場

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 2025年の調査結果を眺めると、長らく続いてきた無彩色の独占体制に、確かな変化の兆しが読み取れる。その変化を後押ししているのが、

「電気自動車(EV)市場の広がり」

だ。特にアジア圏では、色の選択肢に広がりが見られ、自己主張の強い色へのシフトが進んでいる。イエローやゴールドは4%、グリーンが3%、さらにオレンジやパープルといった色味も2%まで数字を伸ばしてきた。

 新興のEVブランドにしてみれば、従来のガソリン車と同じ無彩色の枠内に収まっていては、自らの存在を際立たせることは難しい。性能面での差別化が難しくなるなかで、色をブランドの価値を伝える手段として使い、これまでにない体験を提示しようとする動きが強まっている。

 鮮やかな色彩は、伝統を持たない新しいメーカーにとって、認知を広めるための貴重な資源となっている。同時に、これまでは無難な選択に落ち着いていた層を振り向かせ、若い世代の購買意欲を呼び起こす呼び水としての役割も果たしているようだ。

 地域ごとに選ばれる車体色の傾向を眺めると、そこには明確な土地柄が浮かび上がる。

 北米では、ホワイトが31%で依然として首位を保っている。しかし、2024年と比較するとその割合は低下した。代わって存在感を強めているのが、10%まで伸びたブルーや、7%を占めるレッドだ。生活のあらゆる場面でデジタル化が進むなか、物理的な存在である車を通じて

「自分らしさ」

を表現しようとする動きが、じわりと広がっている。

 対照的なのが欧州の動向だ。ここではグレーが26%に達し、ホワイトの25%を抑えて首位に立った。ブラックも22%と高い水準を維持しており、全体的に落ち着いたトーンが支配している。

 欧州でグレーが支持される裏には、富をこれ見よがしに誇示することを避ける、ある種の慎み深さがあるのだろう。街並みや歴史ある建物に静かに溶け込む色を選ぶ。そこには、個の主張よりも周囲との調和を重んじる、成熟した社会の姿勢が投影されている。

全てのコメントを見る