「信頼」と「美意識」の再構築――感性で世界を制す日本車再興の終着点【連載】Make Japanese Cars Great Again(9)

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EV・SDV化が進みHV・PHV・EVが混在するなか、日本車は信頼と美を軸に価格競争を避け、世界市場での販売と横連携への体制転換を進められるかが問われる。EVは300万円超が多く普及途上にある。

信頼と美意識の再評価

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 エンジン車中心の時代は終わりつつあり、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)へと移り変わろうとしている。その先には、ソフトウェア中心の車や自動運転の時代も見え始めている。最終的にはEVが主流となり、それに合わせてソフトウェア中心の車や自動運転も広がっていく未来は想像できる。ただし、それがいつ実現するのかを今の段階でいい切れる人はいない。

 こうしたHV、PHV、EVが入り混じる不確かな時代のなかで、

「Make Japanese Cars Great Again」

を実現するには、日本車の価値をあらためて捉え直し、日本車であることの特徴をよりはっきり示す必要がある。これからの日本車の価値は、これまでの積み重ねと新しい技術の両立にある。

 これまで日本車が築いてきた価値は、

・長く続く「信頼」
・日本ならではの「美意識」

である。とにかく壊れにくいという信頼は、世界のどこでも通用する強みであり、日本車だからこそ広く受け入れられてきた部分でもある。この信頼が揺らがない限り、日本車の強みは今後も続く。

 また、車の作り方が変わり、部品の共通化や外部調達が進んだとしても、安全に対する考え方や基準を引き継ぎながら、時代に合わせて磨いていけばよい。

 もうひとつの価値である美意識は、日本の感覚に根ざした、余計なものをそぎ落とした静かな美しさにある。この考え方を形にした例として、光の表現や細部のつくり込みに特徴を持つマツダの車があり、今後の日本車の参考となる。

 自動車メーカーの統合やグループ化、部品の共通化が進んだことで、車の見た目に地域ごとの特徴が出にくくなっている今こそ、日本らしい美しさを追い求める必要がある。そのためには、外観や内装の作業を自動車会社の内部だけで完結させず、工業デザインの専門家や建築家、画家など、美意識に優れた人材を積極的に取り入れるべきである。

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