「消費者は急がなかっただけだ」――EVシフト前提はどこで崩れたのか? 世界で半数がエンジン車を選んだ25年市場の転換点

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2025年、世界の車購入検討者の半数が次の選択肢としてエンジン車を挙げた(前年比13ポイント増)。EV意向は10ポイント低下。EY調査が示すのは後退ではなく、充電環境や価格、残価不安を前にした現実的な選別の進行である。

市場の現実調整

2025年、EVシフトの踊り場と回帰。
2025年、EVシフトの踊り場と回帰。

 EVだけに偏った動きから、現実に合わせて選択肢に幅を持たせる流れへの移り変わりは、後退というより市場の調整に近い。二酸化炭素を減らすという長期的な方向性が変わるわけではない。

 ただ、充電の仕組みが十分に整わず、価格も高いままでは、購入意欲が広がりにくいのも事実だ。充電にかかる時間の負担を和らげ、移動をより無駄なくこなせる仕組みが求められている。

 普及が進む条件としては、車が家庭の電力管理に関わり、光熱費を抑える役割を持てるかどうかがある。また、中古市場で電池の状態が適切に評価され、売却時の価格が安定することも欠かせない。加えて、利便性の向上によって、使い勝手の良さが動力の違いを上回る価値を持つことが重要になる。

 持つことの利害がはっきり見えてくれば、人々は様子見を終えて一斉に動き出す。その判断を左右するのは、日々の扱いやすさと資産としての確かさにある。

 最初から答えは出ていたのだ。消費者は急がなかっただけなのだ――。

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