「一度は姿を消した航路が15年ぶりに復活…」 片道7時間の船旅、本当に乗る価値はあるのか? 新造船就航で変わる室蘭~青森航路とは
津軽海峡フェリーは2023年10月、15年ぶりに室蘭~青森航路を復活させ、新造船「ブルーグレイス」を就航した。片道7時間の長距離航路はトラックドライバーの休息需要に応える一方、一般旅行者向けの割引商品「スーパー海割」で集客も狙う。前年比22万台超のトラック輸送を背景に、航路の収益拡大が本格化する。
労働時間規制と航路復活

もう一点、室蘭~青森航路が復活した背景には、トラックドライバーの労働時間規制がある。2024年4月の改正改善基準告示では、トラックドライバーの労働時間は1日原則13時間以内(最大15時間)、休息期間は原則11時間以上(最低9時間)に厳格化された。告示にはフェリー特例があり、フェリー乗船時間は原則として休息期間として取り扱うことになっている。
津軽海峡フェリーの主要航路である函館~青森航路は片道約3時間半であるのに対し、室蘭~青森航路は片道約7時間である。この7時間の乗船時間が十分かどうかは別として、十分な休息期間が確保できない函館~青森航路に比べ、室蘭~青森航路にはトラックドライバーの休息需要が見込まれる。
室蘭~青森航路に限らず、長距離フェリーにはもともと一般の船室とは区別されたトラックドライバー専用のドライバーズルームがあり、ドライバーの休息に一定の配慮がなされていた。2025年8月に就航した新造船「ブルーグレイス」でもドライバーズルームを拡充している。新設した展望大浴場は基本的に一般旅行者向けであるが、トラックドライバーの福利厚生の役割も担っている。
新造船という投資を行った室蘭~青森航路では、今後、各種割引商品などで一般旅行者の集客に注力すると同時に、トラックドライバーの休息需要をどこまで取り込めるかが注目される。