「一度は姿を消した航路が15年ぶりに復活…」 片道7時間の船旅、本当に乗る価値はあるのか? 新造船就航で変わる室蘭~青森航路とは
津軽海峡フェリーは2023年10月、15年ぶりに室蘭~青森航路を復活させ、新造船「ブルーグレイス」を就航した。片道7時間の長距離航路はトラックドライバーの休息需要に応える一方、一般旅行者向けの割引商品「スーパー海割」で集客も狙う。前年比22万台超のトラック輸送を背景に、航路の収益拡大が本格化する。
航路別輸送量の現状

北海道運輸局が公表した2024年度の航路別自動車運送の数値を見ると、同社が運行する航路では、主力の函館~青森航路でバスは843台、トラックは22万2231台、乗用車は14万2443台、二輪車は9283台である。一方、室蘭~青森航路ではバスが62台、トラックが1万1743台、乗用車が7430台、二輪車は842台だった。
台数ベースでは、函館~青森航路はトラックが全体の59%、室蘭~青森航路はトラックが全体の58%を占める。ただし、トラックは車両が大きいため、スペースの占有率はさらに高くなる。
トラックは年間を通じて需要が比較的安定しているが、バスや乗用車、二輪車は観光シーズンによる変動が大きい。とくに本州と北海道を結ぶ航路では、二輪車を中心に夏季の需要が集中する傾向がある。
こうした状況もあり、かつてのフェリー航路は、トラック輸送が中心で一般旅行者は「ついでに」乗せる存在という印象が強かった。
しかし近年は、同社を含むフェリー会社各社がトラック以外の一般旅行者の取り込みに力を入れている。従来どおりトラック輸送を重視しつつも、船室や共有スペースを充実させることで、クルーズ船に近いサービスを提供する動きが進んでいる。
今回、スーパー海割の通年販売を開始した室蘭~青森航路では、2025年8月に新造船「ブルーグレイス」が就航した。展望浴室や新等級の「ファースト」を新設したほか、従来のスタンダード等級でもマットレス、鍵付きロッカー、コンセントを完備するなど設備を拡充している。