「ETCなのに止まるの?」 数十億円かけても導入進まぬ「地方有料道路」、ETCXからフルETCまで火花散る転換点とは
全国の有料道路で依然として現金払いが残るなか、ETC、事前登録制のETCX、登録不要のETCGOといった三つの方式が競争を展開。数十億円規模の投資と利便性の両立が、地方道路の経営判断を左右する。
キャッシュレス化の転換期

高速道路の自動料金収受システム(ETC)をめぐる近年の動きは、鉄道や路線バスがキャッシュレス決済を導入する際の課題と重なる部分が多い。全国の有料道路では、いまだ現金払いのみの運用が散見される。
多くの管理主体が効率化に踏み切れないのは、システム導入にともなう初期投資が膨大だからだ。高速道路と同等の仕組みを維持するには、高価な専用機器や強固な通信網を自前で維持しなければならず、経営への負担は軽くない。
そのため、既存の仕組みを活かしながら運用負担を抑える別の決済サービスを採用する動きが目立つ。これは、維持費がかさむ独自規格の設備を自前で抱えるのをやめ、外部の既存決済ネットワークを活用することで投資負担を抑える公共交通機関の戦略と、構造的に同じである。
自社で資産を重く抱える形から、外部の決済網に依存して負担を軽減する方向へ、インフラ運営のあり方は変化している。この背景にある論点を整理していく。