なぜインターチェンジ付近には「ラブホテル」が密集しているのか? 高速道路が生んだ非日常空間、夜の闇に浮かぶ異様な景色を考える
夜のIC周辺に目立つラブホテル群。2024年度の届け出は全国4,563軒、1970年の新成人246万人時代の半分以下だ。人口減と消費変化が、かつての娯楽空間を物流拠点へと変えつつある現実を追う。
施設数の減少

2024年度時点で、全国の届け出数は4563軒となっている。2022年の約4885軒、2012年の6000軒以上と比べると、減少が続いている。この背景にあるのが少子高齢化と若年人口の減少だ。
1970(昭和45)年には新成人の人口が246万人と過去最多を記録し、1990年代前半にも200万人台の山があった。だが2026年1月1日時点では18歳の新成人は109万人にとどまる。1968年の統計開始以来、2024年の106万人に次いで2番目に少ない数字である。総人口に占める新成人の割合も0.89%と低い。
かつて市場を支えた世代が半分以下に減ったことで、需要の土台は崩れている。娯楽の多様化やビジネスホテルのカップル向けサービス強化も影響した。宿泊という体験は、特別な情緒を求めるものから利便性や効率を重視するものへと変わった。
全国に道路網が広がり、どこでも一定のサービスが受けられるようになったことで、この業態が持っていた独特の空間価値も、市場全体の効率化の流れに飲み込まれつつある。