なぜインターチェンジ付近には「ラブホテル」が密集しているのか? 高速道路が生んだ非日常空間、夜の闇に浮かぶ異様な景色を考える

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夜のIC周辺に目立つラブホテル群。2024年度の届け出は全国4,563軒、1970年の新成人246万人時代の半分以下だ。人口減と消費変化が、かつての娯楽空間を物流拠点へと変えつつある現実を追う。

モータリゼーションの影響

ラブホテルのイメージ(画像:写真AC)
ラブホテルのイメージ(画像:写真AC)

 日本でラブホテル開発が本格化したのは高度経済成長期である。自家用車の普及とドライブ文化の定着が需要を大きく広げた。1963(昭和38)年、石川県加賀市に日本初のモーテルとされる施設が誕生したといわれている。

 車に乗ったまま入室できる建物は、鉄道駅近くの従来型宿とは異なる体験を提供した。1968年には国内の件数は1413件に達している(「 LH-NEXTコミュニティ 業界史の断面・忘却前夜の カウンターで・・・。亜美伊 新vs湯本隆信」より)。移動の主役が公共交通から個人の車へ移り、目的地が駅前から郊外へ変わったことで、土地利用も大きく変化した。

 時速100km近い高速移動は、社会的な肩書きや個人の名前を一時的に剥ぎ取る作用を持つ。ICは立体交差で複数の道路をつなぐ拠点であり、都市部では5~10km、平地では15~25km、山地では20~25km間隔で設置される。

 交通の要所であると同時に、一定距離を置くことで郊外に空白のエリアを生む。この特異な空間が、後のラブホテル立地を決定づける重要な要因となった。

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