「残クレなら手が届きます」 5人に1人が検討! 理想の車を諦めない日本人、価格高騰でも月々支払いを優先する現実

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新車価格が上昇するなか、35.3%がグレード妥協を拒み、20.4%が残クレを検討。月額負担を抑えつつ理想を追う消費行動は、日本の都市生活と金融スキームが生んだ新たな市場構造を映す。

生活価値維持と心理的抵抗

新車購入とお金の実態調査2026(画像:クルカ)
新車購入とお金の実態調査2026(画像:クルカ)

 消費者がグレードを落とさない背景には、生活価値を守ろうとする心理があるだろう。次回購入時に「妥協せず欲しい車種・グレードを選ぶ」と答えた人は35.3%に上るが、これはクルマを努力の結果として手に届く確かな成果物と認識していることに起因すると考えられる。

 都市部では住宅価格が高騰し、持ち家を持つことが難しくなるなかで、クルマは自己の達成感を示す手段として存在感を増している。内装の質感や先進機能は、自分の立ち位置を外部に示す役割を持ち、グレードを落とすことは価値を削る心理的抵抗をともなう。

 安全性能への関心もグレード維持を後押しする。22.1%が「安全装備の充実」を優先事項に挙げており、家族の命に関わる機能を削ることは多くの人にとって受け入れがたい。結果として、安全を理由に上位グレードを選ぶ判断が自然に生まれている。

 公共交通の乏しい地域では、クルマは生活基盤そのものであり、性能を削ることは節約だけではなく生活水準の低下を意味する。長距離移動を前提とする環境では、グレードを維持すること自体が“生存戦略”の一部となっているのだ。

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