2025年の摩擦――統合を阻んだ「将来戦略」「文化」「車載OS」という3つの断層【短期連載】日産はホンダと再び歩みを進めるべきか(2)

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日産とホンダの統合破談は、将来戦略・企業文化・車載OSの三つの断層が重なった結果だ。欧州98%、米国40%を目標とする日産と、2040年EV100%を掲げるホンダ。技術的蓄積の差も明暗を分けた。

日産とホンダの「文化の断層」

日産自動車のロゴマーク(画像:時事)
日産自動車のロゴマーク(画像:時事)

 日産とホンダの「文化の断層」を例えるなら、日産はアライアンスによる自己喪失、ホンダは独立独歩である。

 日産の統合報告書2024をひも解くと、冒頭に

「“他のやらぬことを、やる”。日産の創業者や歴代の従業員たちは、この大胆な精神にインスパイアされ、イノベーションをドライブし続けてきました」

とある。もともと日産も独立独歩の精神で自動車を世に送り出していた。しかし1990年代後半の経営危機により、1999(平成11)年3月にフランスのルノーとアライアンスを組み、状況は一変する。

 以降、ルノーやその大株主であるフランス政府に振り回されることとなった。それでも日産の技術陣は開発を続けたが、アライアンスの枠組みで自らが生み出した知的財産をルノーに使われ放題となった。この過程に日産技術陣の悔しさが表れている。

 2023年12月までの約四半世紀にわたるルノーとのアライアンスは、日産が自己喪失するには十分な期間であった。日産は2024年1月に企業文化改革「OUR NISSAN」を立ち上げ推進していたが、その矢先、2024年度上期決算(2024年11月7日)で営業利益が前年同期比で3000億円減となり、ホンダとの経営統合の話が持ち上がった。

 一方のホンダは独立独歩で歩みながらも、台湾積体電路製造(TSMC)、GSユアサ、ソニー、ゼネラルモーターズ(GM)などと提携・協業戦略を加速させていた。

 ホンダが提携・協業を進めるのは、2040年までに世界でのEV/FCV販売比率100%という目標のためである。しかしGMに限れば、EV共同開発中止や燃料電池生産システムの2026年中生産終了、GM供給のEVに対する損失約600億円の引き当て(2025年度第1四半期決算・前年同期比)など、失敗が続いた。

 ホンダは目標達成に提携・協業が欠かせないが、独立独歩の姿勢を重んじてきたため、どこかちぐはぐさが残る。

 アライアンスに振り回され自己喪失した日産と、独立独歩で人付き合いが苦手なホンダ。両社が手を結ぶには、「文化の断層」は広く深かった。

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