「輸送密度350人」は成果か警告か? 利用者1.7倍も「存廃目安」に遠く及ばない現実、「都民の血税を回すな」都市部の冷淡な声も
輸送密度350人。国の存廃目安1000人には届かないが、19.5%増と4年で1.7倍に伸びたJR加古川線。住民の努力を成果とみるか、限界の数字とみるか。次回WT会合で評価を巡る攻防が本格化する。
自治体や住民への反対意見

加古川線をめぐる議論は2024年から兵庫県と沿線2市、JR西日本などが参加する兵庫県の加古川線維持・利用促進ワーキングチーム(WT)で進められている。兵庫県は3月中に次回会合を開く予定だ。
JR西日本は「次回会合で実証実験の評価を報告する」として調査結果に対するコメントを避けた。しかし、過去の会合で当時の國弘正治兵庫支社長が「さまざまな利用促進策を実施しても乗客が少なすぎる。地域にふさわしい公共交通のあり方を議論すべき」と現状に厳しい見方を示している。
西脇市は人口約3万7000人、丹波市は約5万7000人。2040年に西脇市は3万人を切り、丹波市は5万人を割ると予測されている。しかも、住民の3割以上が既に65歳以上。利用の柱となる高校生は減り続ける。
沿線に全国的な知名度を持つ観光地はない。西脇市は自然の中に子ども向け遊具や科学館を備えた日本へそ公園(西脇市)を観光地として売り出そうとしているが、人気観光地を育てるのは簡単でない。加古川線を取り巻く環境はさらに厳しさを増す見通しだ。
東京都でITコンサルタントをする男性(68歳)は「輸送密度350人の路線に投資しても効果はないだろう。都民の血税が地方に回り、赤字の鉄道維持に使われるのも納得できない」と沿線の主張に首をかしげる。