「輸送密度350人」は成果か警告か? 利用者1.7倍も「存廃目安」に遠く及ばない現実、「都民の血税を回すな」都市部の冷淡な声も

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輸送密度350人。国の存廃目安1000人には届かないが、19.5%増と4年で1.7倍に伸びたJR加古川線。住民の努力を成果とみるか、限界の数字とみるか。次回WT会合で評価を巡る攻防が本格化する。

自治体・住民の意見

実証実験中の2025年9月、谷川駅に停車した特急「こうのとり」(画像:高田泰)
実証実験中の2025年9月、谷川駅に停車した特急「こうのとり」(画像:高田泰)

「観光客なしにこの数字を達成したのは、住民の努力の結果」

丹波市ふるさと定住促進課は目を細める。西脇、丹波の沿線2市は2022年から本格的な利用促進に入り、定期券や団体乗車券購入を補助するほか、西脇市は自転車レンタルを始めた。

 住民は2024年、西脇市の黒田庄まちづくり協議会、比延地区自治協議会、丹波市の久下自治振興会が加古川線維持・利用促進地域協議会を設立し、沿線を盛り上げるイベント開催や加古川線存続を訴える横断幕、懸垂幕の設置とともに、住民から住民へ利用を訴えて回った。その結果、久下自治振興会役員(73歳)は「住民の利用が戻ってきた」という。

 だが、問題はダイヤと編成。西脇市はサイクルトレイン導入を検討したが、1両編成に搭載できる自転車が少なすぎて断念した。西脇市まちづくり課は「今のダイヤと編成では限界があるが、編成車両や本数が増えれば、乗客をもっと増やせるはず」と期待する。

 兵庫県も輸送密度の上昇を前向きに受け止めている。斎藤元彦知事は「沿線2市や住民の取り組みで利用者が大きく伸び、さらなる利用の機運が高まっていることをうれしく思う。今後も沿線と協力し、利用促進に努めたい」とコメントした。

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