高市政権で最悪化する日中関係! トヨタ・日産が直面する中国「戦略資源」報復――サプライチェーン断絶の危機を考える

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初の女性総理の台湾発言で日中関係が急速に冷え込む中、自動車産業は中国依存のサプライチェーンを抱え、レアアースやNEV部材の供給リスクに直面する。企業は短期利益と中長期リスク回避の両立を迫られている。

筆者の意見

中国(画像:Pexels)
中国(画像:Pexels)

 現状、中国が発動している報復措置は、保有するカードの強大さから考えると抑制的である。

 外交面では、中国は米国との貿易摩擦という課題を抱えており、重要な貿易相手国の一つである日本との経済摩擦はできるだけ避けたい意図がある。露骨に強硬な経済圧力を加えれば、グローバルサウス諸国で中国警戒論が広がる可能性もあり、中国としては国際社会にスマートな姿を示す必要がある。国内を見ても、

・経済成長の鈍化
・不動産バブルの崩壊
・若年層の高い失業率

など多くの課題を抱えており、新たな日中経済摩擦は作りたくない思惑も透けて見える。

 しかし、現状を楽観視することはできない。中国の核心的利益、特に台湾問題に関して、習近平政権は妥協を一切許さない姿勢を崩していない。日本の安全保障政策や政治的発言がこの一線に触れれば、対日制裁の強度が急激に高まるリスクが常にある。

 自動車業界は今後、可能な限り

「脱中国依存」

を進め、サプライチェーンの再設計を急ぐ必要がある。具体的には、部材調達の非中国化や生産拠点のASEAN・北米への分散が、最優先の経営課題となる。

 中国市場は、その規模や成長性から依然として重要な市場であることに変わりはない。しかし、政治リスクは

「発生確率は低いが、発生した場合の損失が大きい」

という性質を持つ。企業はこのリスクを前提に経営戦略を立てる必要がある。利益とリスクを単純に天秤にかけるのではなく、リスクを回避しつつ利益を確保する姿勢が求められる。

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