テスラの「安全神話」に黄信号? 直近2期で微妙に悪化、市街地データ非公開で真の安全性不透明か

キーワード :
, ,
テスラ車のオートパイロットは636万マイル走行ごとに事故1件とされ、非使用時の159万マイルを大きく上回る。ネットワーク化された数十億マイルの実走行データから安全性向上が示される一方、統計の詳細や市街地での実態は不明で、今後のロボタクシー展開が評価基準となる。

背景条件の不明瞭さ

2025年10月24日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)
2025年10月24日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)

 全体を振り返ると、最初の報告書を提出した2018年第3四半期以降、数値は大幅に改善している。

 当初、オートパイロットを使用するドライバーは335万マイル(539万1302km)ごとに1件の事故を起こした。使用しないドライバーは192万マイル(308万9940km)で1件の事故が発生し、全国平均は48万1000マイル(77万4094km)だった。こうした数字から、安全性は年を追うごとに向上していることがわかる。

 しかし、データの背景を詳しく検証すると疑問も浮かぶ。比較は道路上のすべてのドライバーとテスラ車のドライバーという大雑把なものにすぎず、自動車の種類やドライバーの属性も明らかにされていない。

 より厳密な統計分析では、事故が発生した時間帯、飲酒の有無、天候条件、新車か中古車かなど、さまざまな要素に分けることができる。こうした背景情報が増えるほど、分析は深まる。さらに、オートパイロットの走行距離のうち、

「高速道路での距離と市街地での距離の割合」

も不明だ。テスラは詳細データを把握していると考えられるが、公開はしていない。

 テスラはオートパイロットを、ドライバーの安全性向上と運転負荷の軽減を目的に提供している。システムは一定の機能を果たしており、運転の負担を軽減する役割を果たしている。

 特に長距離運転では、負担が大幅に軽減されるという声が多い。米国では、高速道路での運転時にテスラオーナーのほとんどがオートパイロットを使用しているとされる。

 ただし、文字通りの自動運転ではない。オートパイロットはオートステアリングと、テスラが「トラフィックアウェアクルーズコントロール」と呼ぶ機能に依存している。基本的には、車両の前方や周囲の状況に応じて速度を調整し、車線を維持する形でステアリングを操作するシステムである。

全てのコメントを見る