BYDを急追! 中国シャオミのEVは日本の「クルマ愛着文化」をどう変えるのか?
スマホ大手のシャオミとファーウェイがEV市場に本格参入。量産型BYDとの競争は「ハード対ソフト」の新構造を生み、OS統合や体験重視の戦略で中国市場を席巻、次世代モビリティの方向性を示す。
シャオミの企業戦略

シャオミがプレミアム電気自動車(EV)「Xiaomi SU7」を発表し、ファーウェイは自動車メーカーと協業して「AITO」シリーズを展開するなど、スマホメーカーのEV市場参入はもはや傍流ではない。シャオミは2010年に設立された中国のテクノロジー企業で、スマートフォンを軸にスマート家電やIoT製品を手がける。グローバル市場でも存在感を示し、自社OS「MIUI」を通じたデジタルエコシステムの構築に強みを持つ。
両社の最大の強みは、自動車を「最大のスマートデバイス」と捉える視点にある。シャオミは自社OS「HyperOS」を、ファーウェイは「HarmonyOS」を活用し、車と自宅のスマート家電、スマートフォンを統合した体験を提供する。ドライバーは家を出る前に車内でエアコンを操作したり、車から降りる際に家電の電源を切ったりできる。この体験は従来の「コネクテッドカー」を超え、生活全体を統合するエコシステムの再構築といえる。
販売戦略も従来の自動車メーカーと一線を画す。ディーラー網を持たない彼らは、スマートフォン販売で培った量販店や通信キャリア店舗など既存の販売チャネルを活用できる。これにより、ブランド認知度を生かし、消費者との直接的な接点で「体験」を販売するモデルを構築している。
筆者(仲野健太、自動車ライター)がかつて中古車店で営業や整備を担当していた頃、接点は整備記録など物理的情報が中心だった。しかし、彼らの戦略は整備工場を介さず、デジタル体験で購買意欲を喚起する。ディーラー中心の従来販売構造を根本から変える可能性があり、「革命」と呼べる動きだ。