ホンダ「アキュラ」再挑戦を問う! 軽依存脱却、低収益体質で「高級EV戦略」は成立するか
ジャパンモビリティショー2025で初公開されたアキュラRSXプロトタイプ。北米で高評価の高級EVが、日本市場で軽自動車依存の収益構造に挑む。投入可否の鍵はブランド構築と販売網整備にある。
筆者の意見

アキュラの国内導入は、現状の販売体制のままでは成功しにくい。最大の理由は、高級ブランドに必要な販売チャネルやサービス網が整っていない点である。
先行するレクサスは専売店舗と顧客体験の質で高く評価されており、同等の販売網を構築できなければ競争力は確保できない。ホンダは国内で高級ブランドを専売した経験が乏しく、既存店舗でアキュラを扱う場合でも販売・整備スタッフの教育を一からやり直す必要がある。
ブランド認知の低さも課題である。アキュラは1986年に北米で誕生し、2026年に40周年を迎えるが、日本ではほとんど知られていない。北米での性能やデザイン、信頼性に基づく評価が国内で通用するとは限らず、レクサスだけでなく欧州勢のメルセデス・ベンツやBMWも競合に入る。選択肢のひとつとして認知させるには、浸透戦略をともなったブランド構築が不可欠である。
さらに収益構造の問題も重い。国内販売の約4割が軽自動車であり、利益率が低いため、初期投資回収が難しい。低収益体質のまま導入しても事業として成立しない可能性がある。導入を目指す場合、「販売構造の再設計」と「ブランドの明確な分離」がポイントとなる。北米仕様をそのまま逆輸入するだけでは不十分で、市場の受容性、価格帯、販売網設計まで含めた戦略的再構築が求められる。