「きょうも大行列や」 インバウンドばかりで乗れない「京都市民」自動運転に託すバス再生の希望

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観光公害と担い手不足に揺れる京都が、自動運転で突破口を探る。ドライバー確保が困難な中、市は4700万円を投じて実証実験を開始へ。訪日客が急増し、路線維持すら危うい状況で、2028年度の本格導入を目指す。都市交通の持続性を懸けた一手だ。

市交通局にドライバー数は安心できない状態

バスの減便や路線見直しが続いた洛西ニュータウン(画像:高田泰)
バスの減便や路線見直しが続いた洛西ニュータウン(画像:高田泰)

 混雑は訪日客が新幹線や在来線特急、新快速でやってくる京都駅と、清水寺(東山区)、嵐山(右京区、西京区)など有名観光地に集中している。市内はJR西日本や市営地下鉄、阪急、京阪などの鉄道路線が通るが、清水寺や金閣寺(北区)、哲学の道(左京区)など最寄り駅から遠い観光地が少なくない。そうした観光地への輸送はバスが頼りだ。

 しかし、バス業界は慢性的なドライバー不足が続く。市バスを運行する市交通局も同様で、混雑路線を増便したいと考えているが、郊外路線の減便や路線見直しでドライバーを確保して限定的な増便をするので手いっぱい。2024年に導入した観光特急バスも通年走らせたいのに、週末限定でしか運行できていない。

 市交通局はドライバー募集を繰り返した結果、9月現在で路線維持に必要な人員866人に対し、875人を確保した。だが、法で定められた勤務のインターバルや週休2日制に準じた休日の確保を厳守しようとすると、65人足りない状態だ。

 市交通局では今後、毎年5~9人の定年退職が見込まれるほか、40人前後の中途退職が出ると推定されている。市交通局職員課は

「今は一時的に必要人員を満たしただけ。とても安心できない」

と苦しい胸の内を打ち明けた。

 必要人員確保の背景には、郊外路線の減便や路線見直しで必要人員を引き下げたことがあり、郊外の住民から不満の声が噴出している。約2万人が暮らす洛西ニュータウン(西京区)周辺の住民は、市洛西地域公共交通会議でたびたび、

「不便になった」

と不満をぶつけてきた。ドライバー不足は観光と縁遠い地域の暮らしにも悪影響を与えている。

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