「きょうも大行列や」 インバウンドばかりで乗れない「京都市民」自動運転に託すバス再生の希望
観光公害と担い手不足に揺れる京都が、自動運転で突破口を探る。ドライバー確保が困難な中、市は4700万円を投じて実証実験を開始へ。訪日客が急増し、路線維持すら危うい状況で、2028年度の本格導入を目指す。都市交通の持続性を懸けた一手だ。
観光都市を支えきれない足腰

京都市が2025年度中に自動運転の実証実験に入る。ドライバー募集を繰り返しても、安心できる数が集められないからで、訪日外国人観光客が増え続けるなか、増便がままならずにターミナル駅や有名観光地は混雑の連続。市は自動運転導入に望みをかける。
「やれやれ、きょうも大行列や」。すっかり秋めいてきた10月下旬の午後、両手に買い物袋をぶら下げた女性(72歳)が、JR京都駅(下京区)烏丸口でバス停の混雑ぶりを見てため息をつく。女性はきびすを返して市営地下鉄の乗り場を目指した。
女性は駅ビルの百貨店で買い物し、東山区の自宅へ帰る途中。だが、清水方面へ向かうバス乗り場は訪日客を中心に100人近い行列ができていた。
「急いではいないけど、何便か待つのも嫌やし、座れないのはきつい」
いったん地下鉄で南へ一駅の九条駅(南区)へ出て、そこから清水方面へ向かうバスに乗るという。
10月は行楽シーズンだが、京都観光のピークは11月後半からの紅葉シーズン。混雑を嫌がる日本人の京都離れが指摘される中、訪日客は前年を上回るペースで増えている。
・市民がバスに乗れない
・バス内が終日、通勤ラッシュ状態になっている
など、有名観光地へ向かうバス路線の混雑は解消できないままだ。バス乗り場の行列を目にしたタクシー運転手は
「今年の紅葉シーズンはどうなるのやろ」
と不安がっていた。