違法っぽい「自動車ヤード」を見つけました。あくまでも“疑いレベル”ですが、それでも通報すべきでしょうか?
全国で数千か所が確認される自動車ヤード。その裏で、違法解体業者が環境対策費を削り、中古部品市場の信頼を蝕んでいる。市民の通報は単なる正義感ではなく、市場価格の歪みや治安悪化を防ぎ、健全なリサイクル経済を守る「公共的な協力行動」と再定義されるべきだ。冷静かつ客観的な情報提供が、行政監視の限界を補い、地域経済と環境の持続性を左右する。
正規解体事業者の仕組みとコスト

自動車リサイクル法に基づく正規解体事業者は、都道府県知事の許可を受け、
・引取業者
・フロン回収業者
・解体業者
・破砕業者
に区分されている。許可を得るには、油水分離槽やコンクリート舗装の設置、廃液処理設備の維持など、多額の投資と手間が必要だ。作業工程はすべてオンラインで報告され、定期的な監査も行われる。
解体作業は、フロンやエアバッグの回収、エンジンやミッションの取り外し、樹脂や銅線の分別、鉄材のプレス処理へと進む。適正な処理を行うことで再生材の品質が安定し、リサイクル部品市場での価格や信頼性の維持につながる。正規事業者の制度遵守は、環境保全だけでなく、地域経済や中古部品市場の健全性を支える重要な基盤となっている。
違法ヤードの存在は、市場価格を歪める。環境対策や設備投資を省いた分だけ部品価格を下げられるため、正規業者がコスト競争に巻き込まれる。結果として、リサイクル部品市場の信頼性が損なわれ、消費者も品質不明の部品を掴まされるリスクを負う。
さらに、油や冷媒の流出による土壌・水質汚染は、地域の清掃・修復費用として自治体負担に跳ね返る。つまり、違法ヤードの利益の裏側では、地域社会全体が環境コストを負担している構図だ。