「EV戦争の敗北」は避けられるか――日本バッテリー産業の“最後の砦”、3万人育成計画が握る国家競争力の行方とは
EV時代に向け、BATONが全国規模で次世代バッテリー人材育成を本格化。2030年までに3万人確保、国内製造能力150GWh達成を視野に、産官学連携で教育と実務を結ぶ新たな挑戦が始まった。
教育機関と研究者の協働

BATONの協力先(10月14日時点)は多岐にわたる。事務局は電池サプライチェーン協議会(BASC)と電池工業会(BAJ)が担当し、産業界からはジーエス・ユアサコーポレーション、トヨタバッテリー、パナソニック エナジー、プライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)が参加する。
教育機関では早稲田大学の所千晴氏、名古屋大学の入山恭寿氏・福塚友和氏、京都大学の安部武志氏、立命館大学の折笠有基氏、兵庫県立大学の松尾吉晃氏・嶺重温氏、東京大学の山田淳夫氏、静岡大学の嵯峨根史洋氏、同志社大学の稲葉稔氏・土井貴之氏、大阪大学の山田裕貴氏、九州大学の栄部比夏里氏、国立高等専門学校機構が協力している。これにより、高校・高専・大学の各段階での教育や研究活動が産業界と密接に結びつく体制が整った。
支援機関・自治体としては、経済産業省本省および関東、近畿、九州の各経済産業局が関わる。行政の関与により、教育や研究の取り組みが政策的に支えられ、若手人材が国内で活躍できる環境の整備につながる。
BATONは、高専や中堅大学を中心とした技術者教育とのシナジー効果が期待される。高校生への早期教育や企業交流を通じて、若手の関心向上と学習意欲を引き出すことが可能である。さらに、サプライチェーン全体の競争力向上にもつながり、国内のバッテリー産業の持続的発展に貢献する。BATONは「次世代につなぐ」という理念の下、2025年11月下旬に第1回会合を開き、組織体制と運用ルールを確立する予定である。