日産・ホンダ「アリア/ZDX」生産停止の衝撃――米国EV鈍化・共和党政策が突きつける「米国依存」からの脱却

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米国EV市場は成長率が前年40%から10%に急減し、日産アリアやホンダZDXの生産停止が現実となった。日本メーカーは米国潜行とアジア集中を軸に、次世代技術開発や国際ベースモデルで生き残りを模索する局面にある。

技術と市場の最適化

アジアの国々を見つめる人々のイメージ(画像:写真AC)
アジアの国々を見つめる人々のイメージ(画像:写真AC)

 EVのアジア市場シフトは、現地経済や雇用への効果が期待できる。途上国では、自動車産業の経済的波及効果に加え、製造ノウハウの蓄積も政策的に重視される。研究力が向上すれば、日本メーカーの国際的貢献にもつながる。

 一方、米国でのEV潜行R&Dは次世代の技術競争力を高める。潜行期間を逆手に取り、大国での販売戦略をじっくり練ることが可能だ。EVの国際ベースモデルは、国際市場の拡大につながる。規模の経済やサプライチェーン効率化の面でも魅力が大きい。環境政策やEV普及の国際的連鎖反応に、よりよい効果を期待できる。いずれの選択肢も一定の成果が見込める。

 本稿の問いは、米国のEV市場縮小を前提に、日本メーカーがどのように成長余地を見いだすかであった。筆者(近澤眞吉、モータージャーナリスト)が示した日本メーカーの生き残り戦略は、すでに述べたとおりである。マーケティングの4Pに沿って、地域戦略の再編や新技術への投資が、日本メーカーの生き残りにどこまで効果を発揮するかを考えてきた。

 現在は技術選択肢が増え、政策にも左右される時代だ。生活者のニーズや充電インフラなど、地域事情も多様である。あらゆる側面から、日本が取るべき方向を慎重に考える必要がある。

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