現場ディーラーを追い込む「不当ノルマ」──ハーレー2.1億円課徴金から考える「台数至上主義」の黄昏
公取委がハーレーダビッドソン日本法人に課徴金2億1000万円超を命じた。38ディーラーの3割が自社登録に依存し、在庫圧力や廃業が連鎖。二輪市場の構造的問題は自動車業界にも波及しうる。
販売網疲弊を防ぐ協調戦略

国内外には、台数至上主義を脱却し、利益率を重視する方向へかじを切った事例がある。ドイツの高級車メーカーは販売店との協議を通じて受注生産体制を強化し、在庫圧力を和らげた。国内でも一部のメーカーが在庫リスクを軽減する仕組みを導入し、長期的なブランド信頼の維持につなげている。
これらの取り組みは数量押し付けによる短期的シェア確保から
「顧客満足度を軸とした長期的収益基盤の構築」
へと発想を転換する必要性を示している。
日本の自動車・二輪市場は、
・人口減少
・若年層の購買意欲低下
・EVシフトにともなう巨額の開発投資
といった複合的な逆風に直面している。この環境下で旧来のノルマ主義を続ければ、販売網の縮小やブランド価値の毀損は避けられない。
求められるのは、需要予測と供給計画を現実的な水準に引き下げ、販売店とメーカーが協働してリスクを分担する仕組みの構築である。その上で販売データを透明化し、規制当局が常時監視する制度を設ければ、不当な力学は抑制できる。