「整備士 = 休めない職業」は時代遅れ? 年間休日110日超え企業が3年で2倍! 働き方改革が加速か
休日増加で変わる整備現場

自動車業界専門の求人サイト「カーワク」を運営するアプティ(東京都渋谷区)は、2025年7月1日から8月1日まで掲載された整備士求人8397件を対象に、人気求人の傾向を調査した。対象は全国の自動車整備士である。
今回の結果の第一の要因は、人材確保競争の激化である。2025年7月時点で全国に8397件の求人が出ており、慢性的な人手不足は解消されていない。この状況下で応募者を集めるには、条件改善が不可欠だ。
調査によると、人気上位5%の求人では平均年間休日が113.9日で、全体平均の112.1日を上回った。求職者は休日日数を厳しく比較しており、採用成功には条件改善が事実上必須となっている。
ディーラーを中心とした制度改善も影響している。ディーラー整備士の平均休日は110.1日で、非ディーラーの104.1日を大きく上回る。週休2日制や長期休暇の導入が進み、整備士の労働環境は確実に向上した。一方で、休日120日以上を実現する企業の58%は非ディーラーである。小規模事業者でも待遇改善を行わなければ人材が定着しない現実が広まったことを示している。
法制度と社会的圧力も重要な要素である。働き方改革関連法により、時間外労働の規制や有給休暇取得の義務化が進んだ。自動車業界は「特別だから長時間労働が許される」という前提を維持できず、休日を増やす流れに追い込まれた。
改善は進む一方で、課題も残る。地域別データでは、関東・中部・近畿は全国平均を上回る休日を提供しているが、北海道・東北・九州では依然として休日が少ない。人口分布や車保有率の違いが背景にあり、地方では少人数で需要を回さざるを得ず、休日拡大の余地は限られる。
業態ごとの制約も厳しい。車検需要の集中期には休日を削らざるを得ない現場が多い。ディーラーは販売収益で人員を厚くできるが、町工場は薄利多売に依存しており、シフト増員の余裕がない。単なる制度変更ではなく、需要変動に対応した業務設計の見直しが求められる。