東京から160km! 伊豆諸島「新島」はなぜ“ナンパ島”と呼ばれたのか

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東京から約160km離れた伊豆諸島の新島は、昭和40年代から10万人を超える若者が夏季に押し寄せた「ナンパ島」として知られる。高度成長期の経済環境や情報希少性、家族・社会の寛容な価値観が背景にあり、現代とは大きく異なる若者文化を形成していた。こうした歴史は、変化する経済・社会構造の中での地域活性化の示唆を含んでいる。

青春が燃えた島伝説

田代まさし『新島の伝説』(画像:エピックレコードジャパン)
田代まさし『新島の伝説』(画像:エピックレコードジャパン)

 1986(昭和61)年にリリースされたシングル『新島の伝説』で、新島の賑わいが再び話題となった。歌ったのは田代まさし。作詞は秋元康、作曲は鈴木雅之という豪華な制作陣が揃った。歌詞は、新島に行けばひと夏のアバンチュールがあり、大人になれるという内容だ。YouTubeでも聞ける。

 男女が多く集まるため、出会いのチャンスは豊富だった。インターネットのない時代、口コミや雑誌記事を頼りに若者は想像力を膨らませた。特に高校生は必死にアルバイトに励み、新島を目指した。単なる努力ではなく、親を説得する苦労もあった。

 冷静に考えれば、一瞬で恋に落ちる相手と出会うのは難しい。しかし、多くの若者が「もしかしたら」と期待し、必死に挑んだ。現代の冷笑の中でも、かつて熱く燃えた若者たちを誰も笑えない。

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