T型フォードが「世界初」ではない? 6年で約2万台売れた量産車「カーブドダッシュ」の真実
大量生産を世界で初めて実現したのはオールズモビルの「カーブドダッシュ」だ。1902年から約1万9000台を販売し、当時の自動車市場を席巻した。しかし、大衆化を本格的に推し進めたのは1913年に移動式組立ラインを導入し、価格を290ドルまで引き下げたT型フォードである。
大量生産の真実と誤解

大量生産で世界初を達成したのは、オールズモビルの「カーブドダッシュ」である。さらに生産方式を効率化し、自動車の大衆化を実現したのがT型フォードだ。この事実を見直す必要がある。多くはT型フォードが初の大量生産車と認識している。産業革命の重要な出来事として教科書にも登場する。T型は1908年に発売されたが、それより数年早い1901年に量産車が存在した。
オールズモビル社のR型、通称「カーブドダッシュ」は、1902年から1907年までモデルチェンジを繰り返し約1万9000台を販売した。当時としては突出した販売台数で、世界で最も売れた車だった。
1901年3月9日、オールズモビルの工場で大火災が起きたが、試作車の中で唯一「カーブドダッシュ」だけが焼失を免れた。このことから最初の量産車となった説があるが、実際には既に数百件の注文を受け、販促活動も行っていた。つまり、偶然ではなく計画的に生産が進んでいた可能性が高い。
もし火災で焼失していたら、発売は遅れた可能性がある。この試作車を救ったジェームズ・J・ブラディは後にデトロイト市長に就任した。