T型フォードが「世界初」ではない? 6年で約2万台売れた量産車「カーブドダッシュ」の真実
大量生産を世界で初めて実現したのはオールズモビルの「カーブドダッシュ」だ。1902年から約1万9000台を販売し、当時の自動車市場を席巻した。しかし、大衆化を本格的に推し進めたのは1913年に移動式組立ラインを導入し、価格を290ドルまで引き下げたT型フォードである。
大量生産が生んだ大衆化

なぜ大ヒットしたカーブドダッシュが歴史に埋もれ、T型だけが人々の記憶に残ったのか。
創業者ヘンリー・フォードの最大の革新は、1913年に導入した移動式組立ラインである。これにより、製造時間は12時間以上から1時間33分に短縮され、生産コストが大幅に削減された。
移動式組立ラインの導入で、1910年のT型の価格は780ドルから1924年には290ドルに下がった。これにより、庶民でも自動車を購入できるようになった。
大量生産はカーブドダッシュが世界初であったが、効率化を進めて自動車の大衆化を実現したのはT型である。
T型は1908年から1927年までに1500万台以上が生産された。この数字を超えるのは現在、フォルクスワーゲン・ビートル(2100万台超)のみである。
カーブドダッシュが大ヒットなら、T型は社会現象だった。これが社会科の授業に登場する理由である。大量生産と効率化は当時の文化や芸術にも影響を及ぼした。