中古車販売店が直面する“三重苦”の正体――成約率は低下、仕入れ価格は高騰、今後どうすればいいのか?
出品台数は前年比15.8%増と活況を呈する中古車オークション市場。しかし、その裏側では成約率低下や単価下落、在庫調達力の格差拡大といった構造的ひずみが進行している。データは希望か、それとも警告か──分岐点に立つ2025年上期市場の実相を読み解く。
新車回復が呼ぶ供給過多

中古車情報サイト「車選びドットコム」を運営するファブリカコミュニケーションズ(名古屋市)は7月31日、中古車の市場統計リポートを公表した。同リポートは、6月の新車・中古車登録台数の推移と、自社サイトにおける販売台数の動向をもとに市場の変化を分析したものだ。
出品台数が増加した背景には複数の要因がある。第一に、新車販売の回復だ。2025年上期の新車登録台数は39万3162台(6月)で、前年同月比105.2%と6か月連続で前年を上回った。この供給回復にともない、下取り車が市場に流入したことで、中古車オークションの出品が活性化した。
第二に、オークションのデジタル化による利便性向上がある。オンライン出品や遠隔入札の一般化により、地理的制約や人員負担を軽減できるようになった結果、出品側の心理的ハードルが下がった。これにより、従来なら在庫として抱えていた車両もオークションに出されるようになってきた。
だが、これらの変化は決して一様に恩恵をもたらしているわけではない。
出品台数の増加に反して、主要4社すべてで成約率が低下。6月単月では成約単価も下落傾向にある。USSの平均成約単価は前年比で+2.2%の118万円となったが、この上昇はインフレや仕入れコスト高騰に引きずられたものであり、小売段階では価格転嫁が困難だ。
事実、消費者は価格に対して敏感な状況が続いており、仕入れ価格の上昇をそのまま販売価格に反映すれば、在庫回転率が落ち、販売機会損失を生む。かといって価格を据え置けば、販売事業者の利益率は圧迫される。
この「価格は保てず、台数は増える」という構造的矛盾が、現在の中古車市場のひずみを象徴している。