EV販売1700万台突破の裏側! 「リチウム危機」が招く米・中・EUサプライチェーン大混乱とは

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2030年、中国・EU・米国のリチウム需要は計278万tに達する見通しだが、供給は深刻な逼迫が予測されている。地政学リスクと供給競争が激化する中、代替電池やリサイクルへの注目が加速。EV時代を揺るがす“白い金”を巡る攻防が、世界経済の次章を左右しようとしている。

EU直撃のリチウム危機

中国の国旗(画像:Pexels)
中国の国旗(画像:Pexels)

 現在、リチウムの主要供給国はオーストラリア、チリ、アルゼンチンの3か国である。2023年時点で、これらの国が世界の供給量の約80%を占めている。

 一方、中国はすでに世界のリチウム貿易を事実上支配している。同国の輸入量が増加すれば、他国の調達に影響が及ぶ可能性が高い。

 研究チームの試算によれば、中国がリチウム輸入を77%増やした場合、米国とEUの輸入量はそれぞれ84%、78%減少する見通しだ。

 各国が国内採掘を強化したとしても、需要を完全にカバーすることは難しい。最も野心的な開発計画を実行した場合であっても、国内供給だけでは不足が残る。

 特に影響が大きいとされるのがEUである。米国と中国は、すべての計画中プロジェクトが予定通り進めば、自国需要に近づける余地はある。一方でEUは構造的な供給不足に直面し、引き続き輸入への高依存を強いられると、研究チームは指摘している。

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