自動車「リコール報道」、約65%が購入をためらうと回答! 信頼が揺らぐ“前提条件”の崩壊とは
2025年の調査で、約半数の消費者がリコール報道を理由に車の購入をためらう実態が判明した。品質は前提条件となり、透明な管理と情報開示が企業信頼の鍵となっている。メーカーには誠実な対応と継続的な品質保証が求められ、制度改革と業界連携の強化が急務だ。
リコール報道の購買影響

2025年7月、NSSスマートコンサルティング(東京都新宿区)は20~60代の自動車運転者および購入検討者1002人を対象に調査を実施した。結果、自動車の「リコール報道」が消費者の購買行動に大きな影響を与えていることが明らかになった。
調査では、約65.5%がリコール報道を受けて、その企業の車の購入をためらうと回答した。これはブランドイメージの毀損にとどまらず、市場における消費者の選好構造そのものが変化していることを示している。
一方で、87.1%の回答者は購入する車の品質と安全性は担保されていると考えている。消費者は安全性や高品質を商品選択の条件ではなく、
「前提条件」
として捉えているのだ。いい換えれば、品質を売りにする自動車はもはや差別化要因ではなく、不良品を出した時点でブランド失格と見なされる時代に入ったことを示す。
こうした認識の変化は、近年相次ぐリコール事例にも反映されている。例えば、トヨタ自動車は速度表示パネルのプログラム不具合により、長期間の使用で画面が映らなくなる恐れがあるとして、21車種・64万台超のリコールを国土交通省に届け出た。対象車種は2022年6月から2025年6月までに製造された「アルファード」「ヴェルファイア」「ハリアー」などである。
また、マツダも5月22日に制動装置のダイナミック・スタビリティ・コントロールユニットの不具合を理由に、「MAZDA ROADSTER(マツダ ロードスター)」1万769台(2023年11月28日~2025年2月14日製造分)のリコールを届け出た。
こうしたリコールの事例は、消費者が品質と安全を「当然」とみなす時代にあって、いかに企業が信頼を維持し向上させるかが問われていることを改めて示している。