トヨタ、インドネシアでEV現地生産へ! 「日系90%の牙城」に迫る中韓勢の急襲! 日本の勝機を考える

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東南アジアEV市場で覇権を争うなか、トヨタがインドネシア現地生産に初参入。政策誘導と価格競争が交錯する市場で、7.1%まで伸長した中韓勢に挑む。企業構造と戦略の再構築が日本企業の生存条件となる。

インドネシアEV拠点構想の狙い

サプライチェーンのイメージ(画像:Pexels)
サプライチェーンのイメージ(画像:Pexels)

 日本は内燃機関自動車からEVへの急速な産業構造転換や労働環境の変化を抑制する観点から、HV比率を緩やかに高めてきた。また、内燃機関関連のサプライチェーン維持に経済的な依存も続けている。繰り返すが、トヨタを含む日本企業が直面している最大の課題は「開発スピードの壁」であり、迅速な対応力だ。

 電池のサプライチェーンでは劣勢が鮮明で、中国勢との格差は日増しに拡大している。政策適応力にも大きな違いがある。中国企業は国家戦略と連携し、現地政策への適合力と柔軟性に優れる。取材を通じてわかったのは、

「中国科学院(日本の産業技術総合研究所に相当)」

で開発された技術が民間で活用され、普及を促す政策と密接に結びついていることだ。

 一方、日本企業は企業判断が主体であるため、すべての決定を慎重に進める傾向が強い。そのため、戦略策定において石橋を叩きすぎ、迅速な意思決定が阻害されている。

 インドネシアがEVに政策的に注力する背景には、同国を電動車の製造ハブに育成したいという国家戦略がある。

・ニッケル資源の国内加工義務化
・電池サプライチェーンの誘致政策

を推進し、現地生産EVに優遇税制を適用することで市場の魅力を高めている。これにより、各国メーカーの競争が激化し、インドネシアの国際的地位向上を狙う戦略だ。

 国際的自動車メーカーとしての存在感が高いトヨタの誘致には、こうした政治的意図が隠されているだろう。アジア圏域、さらには世界的なEVハブを目指す国家構想の一環である。注目すべきは、こうしたEV特化型の国家戦略を掲げる国が今後も増える可能性が高いことだ。日本の自動車メーカーは、これらの動きに柔軟に対応する力を身につける必要がある。

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