かわいい「カモ型ロボット」田んぼスイスイ 有機米の栽培をサポート
有機米の栽培でも特に労力を要する雑草取りの作業を軽減するため、自動抑草ロボットの開発が進んでいる。
雑草取りの作業を軽減

有機米栽培の課題解決に向けた研究開発に取り組む有機米デザイン(東京都小金井市)は、除草作業を省力化する自動抑草ロボット「アイガモロボ」のプロトタイプのデザインを発表した。
農林水産省の「みどりの食料システム戦略」は、2050年までに耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%に高めるという目標を掲げている。中でも重要なのが、55%を占める田んぼの有機化。有機米の栽培で農家が最も苦労する雑草取りの作業を軽減しようと、同社が自動抑草ロボットの開発を進めていた。
アイガモロボは、代掻(しろか)き後の水田を太陽光発電の電力によって自律航行。水中を撹拌(かくはん)して泥を巻き上げることで、光を遮るとともに土の物理性に影響を及ぼし、水面下にある雑草の生長を抑制する。
除草剤を使わずに雑草が生えにくい状態をつくることで、除草にかかる労力を大幅に削減できるという。
これまでの実証実験で、一定条件下で抑草効果が確認できたほか、収量増加やジャンボタニシの抑制効果などの副次的な効果も大きいことが分かった。早期の実用化に向けて準備を進めている。
このたび茨城県つくばみらい市で公開されたプロトタイプは、専門学校HAL東京の学生・中村哲さんがデザインした。専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)のカーデザイン学科の2年生全員を対象にしたコンペで金賞に選ばれた。
「一生懸命頑張って泳いでるね、かわいいね」と思われるデザインとなっているという。