自動車保険料「年1改定」が崩壊? 東京海上“10月値上げ”が突きつける制度の限界、、家計をさらに直撃する?

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自動車保険の“年1改定”が変わるかもしれない。東京海上は2025年10月、平均5%以上の異例の前倒し値上げを決行。背景には、修理費の高騰や収支の悪化など、保険制度の根幹を揺るがす構造的な危機がある。いま、制度再編のうねりが始まっている。

値上げが迫る家計と地方企業

自動車保険のイメージ(画像:写真AC)
自動車保険のイメージ(画像:写真AC)

 現在の自動車保険のしくみは、

・年間の保険料を一定にする
・保険の条件をそろえる
・先の見通しが立てやすい

ことを土台にしてつくられている。しかし、物価が上がり、技術が進み、気候変動によって災害が大きくなる中で、このしくみの前提は少しずつ崩れてきている。

 東京海上が行う10月の保険料改定は、今のように変化が少ない静かな制度から、変化にすばやく対応する「動く制度」への転換を進めるかもしれない。SOMPOホールディングスの浜田昌宏副社長は

「(改定の)頻度が高まるようシステムの変更を終えている」(同紙)

と話している。保険業界全体が、より早く収支の変化をつかむ体制づくりを進めている。

 このまま進めば、保険料は年1回の見直しではなく、半年ごとなどの見直しへと変わるかもしれない。その場合、家計や企業にとって先の見通しが立てにくくなるが、保険制度を長く続けるためには避けられない道ともいえる。

 平均で5%以上の保険料の引き上げは、家庭の負担を重くする。営業車を多く持つ中小企業では、1台ごとに年間数千円から数万円の費用が増えることになる。特に地方で車に頼る仕事では、会社の経営に影響を与えることもある。

 このような大きな問題に対して、国土交通省や金融庁は、制度を柔軟に変える力を持つことや、事故を減らす努力をした人や会社に報酬を与える制度(インセンティブ制度)など、いくつもの対策を考える必要がある。

 例えば、運転の記録をもとに保険料を決める「走行実績連動型保険」や、AIを使って修理費の見積もりを自動で行いコストを下げる仕組み、代理店のしくみを見直すことなどが検討されている。

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