スズキの「レトルトカレー発売」がもっと評価されるべき根本理由――発売数日で5000個突破! 単なる話題作りを超えた経営戦略を考える
スズキが2025年6月に発売したレトルトカレーは、社員食堂で提供するインドベジタリアン料理を基に開発され、発売から数日で5000個を突破した。インド市場が売上の約4割を占める同社は、多様な外国人材の定着と能力発揮を狙い、食環境の改善を経営戦略に組み込む。製品開発に自動車検証サイクルを応用し、企業価値とブランド強化を目指す新たな試みである。
人気車イラストのブランド効果

4種類のレトルトカレーは、スズキのECサイトで販売されている。社員食堂で提供されるメニューをベースにしているが、一般販売の狙いはどこにあるのか。
パッケージには、ジムニーやハヤブサなどスズキの人気車種のイラストが描かれている。これは社内外の幅広い顧客層を意識し、スズキファンの拡大を狙ったものだ。また、開発を担当した鳥善が静岡県浜松市に本社を置くことから、地域経済の活性化も期待される。
イラストはデフォルメされた親しみやすいデザインで、子どもにも受け入れられやすい点が特徴だ。こうしたデザインからは、ブランディング効果やマーケティング戦略がうかがえる。
自動車メーカーが食品事業に取り組む例は少なくない。日産、ホンダ、三菱もレトルトカレーやルーを販売してきた。トヨタ博物館でもレトルトカレーが扱われ、2025年4月には30周年記念商品として新たに3種が発売された。
海外ではフォルクスワーゲン(VW)が1973年に社員食堂のシェフが考案したカレーソーセージで知られる。このソーセージに合わせ、1996年に特製ケチャップが開発された。昨年、米国で販売された際には部品番号「00010 ZDK-259-101」が付与され、即完売となった。
また、GM傘下のシボレーは米国南カリフォルニアで有機食品を展開するエレウォン社と協業し、2024年「エクイノックスEV エレクトリック・ジュース」を限定販売した。