率直に問う EV愛好家は本当に「クルマ好き」と呼べるのか?

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EVの世界販売は2024年に1750万台へと急伸、全体の22%を占めるまでに拡大した。だが、その支持は単なる合理性や環境意識にとどまらない。変容する「車の価値観」を巡る静かな消費革命が、今始まっている。

EVを選ぶ理由の内訳

カリフォルニア州によるZEH目標(画像:California Air Resources Board)
カリフォルニア州によるZEH目標(画像:California Air Resources Board)

 日本では、新車販売に占めるEVの比率は2%程度にとどまる。現時点では、EV購入層は少数派である。ただし、その消費行動には変化の兆しが見え始めている。

 従来、自動車の購入動機は多岐にわたっていた。

・内外装のデザイン
・走行性能
・安全性
・価格
・ブランド価値

など、複数の要素を総合的に判断して選ばれてきた。

 一方、EVを選ぶ理由には独自の特徴がある。静粛性や低振動、高トルクによるスムーズな加速といった走行性能は、内燃機関車と比較しても優位に立つ。また、税制優遇や購入補助金といったインセンティブ、充電コストの安さも動機として加わる。環境意識の高い層にとっては、環境規制への適応という視点からEVを選ぶこともある。

 米国ではカリフォルニア州がゼロエミッション車(ZEV)規制を導入している。2035年にはガソリン車の新車販売を禁止する方針だ。すでに全米で10州以上が同様の規制に踏み切っており、今後はEVの選択が求められる局面が増えていく。

 そうした状況での購入動機は、嗜好性ではなく合理性や環境配慮が軸となる。EVは「楽しむ対象」から

「使うための道具」

へと変化していく。従来のクルマ好きの価値観とは異なる視点が、いま広がりつつある。

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