印パ空中戦125機激突の衝撃――なぜ「世界4位」インドの最新鋭ラファールは中国製J-10CEに撃墜されたのか?

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中パ間で発生した125機超の空中戦は、中国製J-10CEの実戦成果と電子戦による「キル・チェーン」崩壊を世界に示した。Link-16の脆弱性が露呈し、1兆円規模とされる西側通信網の安全保障投資に改めて疑義が突きつけられている。

勝敗を分けた情報連携能力

インド空軍機撃墜の概要。パキスタン三軍合同記者会見ビデオより(画像:パキスタン空軍)
インド空軍機撃墜の概要。パキスタン三軍合同記者会見ビデオより(画像:パキスタン空軍)

 今回の戦闘では、両軍の戦闘機は自国の領空に留まったまま、数10kmから100kmほどの遠距離で目視外(BVR)戦闘を展開した。J-10CE戦闘機から発射されたPL-15Eミサイルは、インド戦闘機に命中するまでの間に、早期警戒管制機(AWACS)が誘導を引き継ぎいだ可能性もある。PL-15Eミサイルの最大射程距離は約150kmともいわれるが、パキスタン空軍は、その性能を遺憾なく発揮させることができたようだ。

 このように、探知・射撃・誘導・撃破の流れを、各種のシステムが連携して実現する仕組みを「キル・チェーン」と呼ぶが、中国製兵器を揃えたパキスタン空軍のシステムは、優勢なインド空軍に対しても十分有効だったことになる。兵器単体の性能よりも、優れたキル・チェーンの運用が戦闘の勝敗を決したのである。

 それでは、インド空軍の側はどうだったのか。経済成長著しいインドの空軍は、保有する航空機の機数では

・米国
・ロシア
・中国

に次ぐ世界4位とされており、ロシア製やフランス製の優れた戦闘機を配備している。ラファール戦闘機に搭載可能なイギリス製ミサイルのミーティアは100km以上の射程を持っているし、イスラエル製の警戒管制システムを搭載したロシア製の早期警戒管制機A-50も装備している。

 そして、これらの作戦航空機は、データリンクによって戦闘情報が統合され、現代的なキル・チェーンを構成するはずであった。これらの優秀な兵器は、なぜパキスタン空軍に対して無力だったのだろうか。パキスタン軍が5月9日に開いた合同記者会見で、その説明がなされている。

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