電車内に流れる爆音! SNSで「バズる」愚行、「静かな車内」は過去の遺物? 厳罰なき日本で加速する「音ハラ」を考える
公共交通の静寂が揺らいでいる。英国で罰則検討中の「ベアビーティング」は、スマホとスピーカーを使い音空間を支配し、SNS投稿で拡散。日本でも女性の動画が話題となり、制度の不備と価値観の対立が浮き彫りに。乗務員の排除権限や音声検知システム導入など、利用者が快適さを求める現実に即した新たな対策が急務だ。
立件困難化と制度の空白

現行の法律は、こうした行為を十分に抑えきれていない。都道府県の迷惑防止条例は、
・痴漢
・盗撮
など、明確に加害性がある行為に特化している。軽犯罪法や刑法の威力業務妨害は適用の条件が厳しく、立件には詳しい事実の認定と警察や検察の積極的な関与が求められる。
さらに、駅員や乗務員が注意しても、動画撮影やネット投稿を目的にしている場合は、その注意がかえって炎上リスクを生むこともある。ここからわかるのは、
「公共の場のルール作りを制度が主導できなくなっている現実」
である。現場で迅速な対応が求められているにもかかわらず、それを支える制度設計は進んでいない。たとえば、乗務員に一時的な排除権限を与えたり、音を自動で検知するシステムを導入したりすることだ。
その背景にはコストと責任の問題がある。公的機関は人権侵害の懸念を避けたがり、民間企業は過剰な管理を嫌う。こうした状況が空白を生み、抑止力を弱めているのだ。